2025年度のメキシコ日本商工会議所会頭を拝命するにあたり、ご挨拶申し上げます。

　当会議所は、1950 年に設立された貿易懇談会を前身に、1964 年に会員間の親睦、その利益の擁護と増進、日墨経済交流の促進への寄与を目的として創設されました。現在ではメキシコに進出する主要な日系企業を中心とした歴代最高の550近い会員様のために、18の委員会、勉強会を通じた当地ビジネス環境や治安・生活に関する情報収集と分析、セミナーを活用する形での情報提供、メキシコ連邦・州政府当局へのビジネス上の課題に対する改善提言を軸に活動しております。

　当商工会議所はお陰様で昨年創立60周年を迎えることができました。11月8日にはSt.Regisホテルにて記念レセプションを開催し、メキシコ政府エブラル経済大臣、デラフエンテ外務大臣にもご出席いただきました。一民間団体である当商工会議所のイベントに大臣お二人に態々ご参加いただけたこと、「在メキシコ日系企業そして日本との連携を深めて行きたい」といったご発言等からメキシコ政府の日系企業に対する期待の大きさが表れていると感じました。同レセプションでは令和6年度外務大臣表彰を福嶌大使より授彰させていただき、当地有力経済団体であるCCE（メキシコ企業評議会）との水素領域に関する協業の覚書を締結させていただきました。無事に60周年を迎えられましたこと、当商工会議所の活動・実績に対する大変ありがたいご評価をいただけたことは偏に会員企業皆様の不断からのご尽力のお陰であることは間違いありません。また日系企業が多数集積、在籍しているグアナファト支部も昨年創立10周年を迎えることが出来ました。改めましてカマラ活動へのサポート・ご協力いただいている皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。誠にありがとうございます。

　さて墨・米両国新政権発足後に迎えた2025年ですが、ビジネス環境という意味において様々な逆風が吹いており、不確実性が増している環境にあるといえます。

　カマラとしましてはこの様な時にこそ、グアナファト支部、ケレタロ支部、日系企業が集積して活動している地域に在籍されている会員企業の皆様と連携を深め、連邦・州政府とのコミュニケーション強化を図り、組織的に働きかけることを目指したいと考えております。一企業では表立って物申せない時にこそ、当商工会議所を活用して折衝することができますし、有用な情報を引き出すことも可能といえます。昨年来取り組んで来ておりますアグアスカリエンテス州やサン　ルイスポトシ州に加え、今年はヌエボレオン州に於ける活動計画を立案、実行することで会員企業の皆様にとって着実な成果となるよう取り組んで参ります。

　本年度は当商工会議所の会頭を拝命して3年目となります。就任以来申し上げております「官民オールジャパン」スピリットを更に高めつつ、在メキシコ日本国大使館、在レオン日本国総領事館、JETRO、JICA 、JBICといった皆様との連携を一層深めさせていただき、この難局を皆様と一緒に乗り切って参りたいと考えております。

　引き続き会員の皆様の、倍旧のご支援とご鞭撻、並びにご協力を賜りますようお願い申し上げます。